B型肝炎と訴訟問題を考える

はじめまして。 B型肝炎に感染し、これまでとてもつらく、苦しく、悲しい思いをされたことでしょう。ここでは一緒にB型肝炎と訴訟問題について考えていきたいと思います。ここでの知識が、あなたのお役に立ちますように。

肝臓

肝臓の働き

肝臓は栄養をエネルギーに変換したり、解毒をしたりと体内において非常に重要な働きをしています。ここでは主に肝臓の働きについて記載します。

エネルギーへの代謝



肝臓は糖分(糖質)をグリコーゲンと呼ばれるエネルギーへと変換します。グリコーゲンは血液に流れ、身体を動かす原動力となるのです。

タンパク質・酵素への代謝



グリコーゲンと同様、肝臓は脂肪分を代謝して血液に送るためのタンパク質や酵素も作り出します。

アンモニアの分解



主に大腸内に住む最近はアンモニアを生成します。これは人体において有害なもの。肝臓はこのアンモニアに対する解毒も行います。もし肝疾患によってアンモニアの解毒ができなくなると血液中にアンモニアが放出され、脳などに深刻なダメージを与えてしまうのです。

ビリルビンの代謝



ビリルビンは血液から生成された老廃物です。肝臓はこのビリルビンを水に溶けやすいかたちにし、最終的に尿として排出されるように促す作用があります。

胆汁



脂肪の分解作用を持つ胆汁を生成します。

この他、肝臓は様々な解毒作用を担っています。

B型肝炎の基礎知識4

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・B型肝炎における重度の肝障害について
・肝炎患者にNGな食べ物4つ
・B型肝炎感染者に二次被害をもたらす悪質な情報に要注意



■B型肝炎における重度の肝障害について

肝障害について

B型肝炎ウイルスにおける急性肝炎では、意識障害などの症状を示すことは少ないものです。しかし、急性肝炎もしくは慢性肝炎から劇症肝炎が生じた場合は例外となります。劇症肝炎は肝細胞および肝臓の組織に機能不全を引き起こします。このため、肝臓の機能である解毒作用が大きく低下することになり、ひいては体内に毒物が蓄積されることとなるのです。体内に毒物が残ると脳機能にも影響を与えます。これにより意識障害や昏睡などの症状を引き起こすことがあるのです。このような症状は死亡率が高いため、肝移植などの大きな手術を必要とすることになります。



■肝炎患者にNGな食べ物4つ


肝炎にかかった場合、適切な治療を受けずに放置すると次第に肝臓を傷めていってしまいます。それにも関わらず「肝臓は丈夫だから」と生活習慣を見直さない人もまだまだたくさんいるようです。

ここでは肝臓を傷めてしまう食べ物。B型肝炎の感染者にはあまりおすすめできない食べ物をピックアップしています。以下のものはなるべく節制し、健康で規則正しい生活を送るように心がけることで肝疾患の進行のリスクを軽減させることができるでしょう。

1)脂質・中性脂肪の多い食べ物

中性脂肪は血液をどろどろにしたり、脂肪肝の原因となります。これらは肝臓に負担をかけ、慢性肝炎や肝硬変などを引き起こす原因となることが多いため注意が必要です。

・肉類(とくに脂身の部分)
・乳製品

2)糖類

糖類は脂質とならんで成人病を引き起こす大きな要因です。糖質も中性脂肪を作る大きな要因ですが、すべてを避けることはなかなか難しいのも事実。なるべく少なめに摂取することを心がけることで肝臓のみならず、身体にも良い結果を与えることでしょう。

・お菓子
・ジュース

3)炭水化物

糖尿病などの成人病にかかった場合、脂質や糖類と並んで制限されるものが炭水化物。炭水化物も中性脂肪に変化しやすいため、摂取を控えることが賢明です。ただし、炭水化物はごはんや麺類・パンなど、わたしたちの主食となるものでもあります。上記の脂質や糖類をメインに控え、炭水化物は注意しながら摂取することが望ましいです。

・ごはん(白米)
・パン
・うどん・そばなどの麺類

4)お酒・タバコ

論外です。お酒・タバコともに肝臓に大きな負担をかけ、傷つける要因となってしまいます。お酒といえば肝臓を傷めることとほぼ同じ。アルコールは絶対に避けるようにしましょう。またタバコもニコチン・アルゼアルデヒドをはじめとする各種毒素が肝臓を傷つけます。肝臓は解毒作用を持つため、タバコの摂取は肝臓の濾過機能を使用することになるのです。


いかがでしょうか。もちろん全部を止めることは難しいでしょう。しかし、主治医と相談の上で、たとえば酒やタバコを摂取しないのであれば、少しくらいのお菓子を食べ、後はごはんなどを普通に食べるというようにするのであれば、普通の生活を維持することは難しくありません。これらを守ることは肝臓だけでなく、腎臓や胃腸にも良い影響を及ぼします。肝疾患があっても他の部分を健康にすることは、肝臓病のリスクの低下にもつながります。肝臓に悪い食事はなるべく避けるように心がけましょう。



■B型肝炎感染者に二次被害をもたらす悪質な情報に要注意


これは必ずしもB型肝炎に限った話ではありません。肝硬変や肝がんのような重い病気を患っている人には必ずおかしな情報が出回ってきます。

これらは「なんとか波動による水」とか「とても珍しい漢方薬」とか「アメリカで開発された、日本ではまだ未承認の薬」などといったかたちで感染者の方を訪れることでしょう。

世の中はユニークなものです。善意をもって懸命に人助けに励んでいる人がいる一方で、苦しんでいる人に目をつけてさらに苦しみの底に叩き落とそうと画策する輩も存在します。


藁をもつかむ思いのときに限っておかしな人間が出てくるものです。確かに「あのときああしていれば」と思うことは誰にでもあるでしょう。でもB型肝炎に限っては、少なくとも「波動水」だの「珍奇な漢方薬」だのはききません。

B型肝炎ならびに、そこから併発した慢性肝炎や肝がんなどの情報は世界的なネットワークが構築されています。このため、何が病気にきいて、何が効かないかは肝炎治療に携わる世界中の医師が共有しているのです。また国内においては専門家による「B型肝炎治療のガイドライン」があります。もし何かおかしな情報が回ってきたときにはこのガイドラインと照らし合わせ、また主治医にも相談してみましょう。