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B型肝炎に感染した方の多くはご存知でしょうが、インターフェロン治療により、予後、セロコンバージョンまでウイルス活動が改善した方はたくさんおられます。


■セロコンバージョンとは

セロコンバージョン(セロコン)について簡単に説明しますと、セロコンとは、HBe抗原がマイナス、HBe抗体がプラスになった状態のこと。

一般的にB型肝炎ウイルスが活動しているときはHBe抗原がプラスになっています。治療や投薬によってこの抗原の活動がマイナスになることで、ウイルス活動は抑止され、肝炎が治まっているのです。


■セロコンバージョンはウイルスが排除されたわけではない

成人後、B型肝炎ウイルスに感染した方でもほとんどが体内から自然に排除されます。万一、急性肝炎か劇症肝炎を発症したとしても、予後は同様に体内から排除されます。

しかし、幼児期の集団予防接種や母子感染の場合、肝炎ウイルスは体内から完全に排除することはできません。インターフェロンなどによって活動を抑止できたとしても、ウイルスによる慢性肝炎や肝硬変・肝がんなどの発症率はゼロとはいいきれないのです。

ですので、セロコンバージョンになったとしても、定期的な肝炎検査はやはり必要となります。


■B型肝炎訴訟では、セロコンバージョンでも和解給付は可能

まれに誤解される方がおられますが、セロコンバージョンでもB型肝炎訴訟によって和解給付金を受け取ることは可能です。なぜなら上述したように、セロコンバージョンになっても肝炎ウイルスは体内から完全に排除されたわけではなく、定期的な診断が必要になるためです。

B型肝炎感染者の方にとって「セロコンになった」というのは、心から胸をなでおろせるものに違いはありません。しかし、同時に国から賠償される給付金を受け取り、予後にいかしたり、また定期的な検査費用を受け取るのは、B型肝炎に感染した方としてはやはり外してはならない道のり。

また、先に述べたようにセロコンバージョンであっても、慢性肝炎や肝硬変などを発症する可能性はゼロとはいえません。B型肝炎訴訟はただお金を受け取るというだけのものではありません。将来、万一の事態が生じた際、生活や治療の補助となるための側面も担っているのです。

だからこそセロコンバージョンになったとしても、そこでホッとしてしまうだけではなく、B型肝炎訴訟も必ず行っておきましょう。