B型肝炎と訴訟問題を考える

はじめまして。 B型肝炎に感染し、これまでとてもつらく、苦しく、悲しい思いをされたことでしょう。ここでは一緒にB型肝炎と訴訟問題について考えていきたいと思います。ここでの知識が、あなたのお役に立ちますように。

母子感染

B型肝炎の母子感染の場合にも訴訟は可能

母子感染で、子どもに該当する方がB型肝炎訴訟を行うのはよくある話です。

ただし、子どもに該当する方にとって母子感染の証明はとても面倒だなという気持ちが強いようです。確かに母親が既に逝去されている場合、母方の兄弟姉妹の検査を行う必要があることもあります。

実際、証明のためには遠縁の親戚に検査をお願いをすることになりますから面倒だと思うかもしれません。しかし、弁護士からアドバイスを聞くのではなく、ご自身で母子感染について一から十まで調べた結果「ああ、これはダメかも」とか「面倒だな」と投げてしまうのはいただけません。そもそも一般の方が医療や訴訟を扱うなど、面倒かつ複雑でたまりません。だからこそ弁護士費用の一部が支給されるのです。

母子感染の方もまずは弁護士に相談してみましょう。できるのか、できないのか、何をすべきかについて助言がもらえるはずです。

母子感染では、母親の親族や兄弟姉妹の肝炎感染の可能性も考慮を

母子感染でB型肝炎訴訟を考えている方は、母親の感染経路について考慮する必要もあります。

とくに見落としがちなのは訴訟を考えている方が母子感染の「子ども」に該当する方。子どもの視点から見て、母親はB型肝炎に感染しているものの、よく調べてみると、母親の感染の原因が国による集団予防接種ではなかったということもあります。

これはたとえば母親の兄弟姉妹が何らかの原因(集団予防接種含む)でB型肝炎に感染し、その結果として母親、子どもの順番にB型肝炎に感染してしまったというケースなどが考えられるでしょう。

また、父親がB型肝炎に感染し、その後、父親経由で母親、出産を経て子どもにも感染したという経路もあるはずです。

実際のところ、これらを厳密に調べてゆくのはなかなか難しいもの。とくに弁護士に相談をせず、自分で手探りで経路を調べることは不可能に近いといえます。ましてや母親がすでに逝去しているのであれば、ますますそれは難しいはずです。

現実的な観点からすれば、国側は一定の基準をきちんと満たせば、B型肝炎の感染を認める可能性もあります。このため、母子感染でB型肝炎に感染しているものの、感染経路についてよくわからないというのであれば、まずは弁護士に相談をしてみることです。