B型肝炎と訴訟問題を考える

はじめまして。 B型肝炎に感染し、これまでとてもつらく、苦しく、悲しい思いをされたことでしょう。ここでは一緒にB型肝炎と訴訟問題について考えていきたいと思います。ここでの知識が、あなたのお役に立ちますように。

検査

B型肝炎訴訟におけるジェノタイプ検査費用は後に支給される

kensagi_blue


・B型肝炎訴訟におけるジェノタイプ検査費用は後に支給される。 
・B型肝炎の診療で合わない医師は変えた方が良い 


■B型肝炎訴訟におけるジェノタイプ検査費用は後に支給される。


B型肝炎訴訟において、まだ明確に症状がわかっていない場合、ジェノタイプ検査をはじめとする肝炎検査が求められることがあります。

ジェノタイプの検査費用は大まかに1回2万円弱と高額。これを理由に肝炎訴訟を敬遠しがちな感染者の方も中にはおられるようです。

しかし、この検査は重要で、たとえジェノタイプがAeであったとしても、慢性肝炎や肝硬変などの明確な症状が顕著であれば、提訴の可能性もあります。

また何よりも知っておきたいところとして、ジェノタイプを始めとする各種の肝炎検査の費用は、因果が証明されれば、後に国から支給されます。

このため、肝炎訴訟において検査費用については実際には心配する必要がありません。

B型肝炎訴訟は「訴訟」とは銘打っているものの、あくまでも国からの救済措置。必ず行っておくことをおすすめします。

以下は国税庁のB型肝炎訴訟についてのウェブサイトからの抜粋です。


1 当該和解対象者が慢性肝炎の発症を確認するため、所定の定期検査を受けた際の検査費用及び初・再診料に係る費用

2 当該和解対象者が子を出産した場合にその子に対するB型肝炎ウイルスの母子感染を防止するために実施する所定のワクチンの投与等及び検査費用並びに初・再診料に係る費用

3 和解成立後に新たに当該和解対象者の同居家族になった者(前記2の子を除く。)に対するB型肝炎ウイルス感染を防止するために実施する所定のワクチンの投与及びこれに附帯する検査が行われた場合のその投与及び検査費用

4 前記1の定期検査を受けるための交通費その他の費用として、年2回を限度として定期検査1回につき1万5000円


母子感染、父子感染及びジェノタイプに関する検査費用の支払

1 原告の父親及び原告の各B型肝炎ウイルスの塩基配列検査結果を用いて因果関係を判断した場合には、国は、6万5000円を当該検査等に要した費用相当額(父親の血液検査費用を含む。)として支給します。

2 原告の母親及び原告の各B型肝炎ウイルスの塩基配列検査結果を用いて因果関係を判断した場合には、国は、6万3000円を当該検査等に要した費用相当額として支給します。

3 B型肝炎ウイルスのジェノタイプの検査結果を用いて因果関係を判断した場合には、国は、検査の種類に応じ、以下の金額を検査費用相当額として、支給します。


検査の種類 1件当たりの支給額

HBVジェノタイプ判定検査(社会保険の給付がある場合) 2300円
HBVジェノタイプ判定検査(社会保険の給付がない場合) 8500円
HBVサブジェノタイプ判定検査 15000円


■B型肝炎の診療で合わない医師は変えた方が良い


B型肝炎訴訟を行う際、病院での検査が必要になることがあります。またB型肝炎の感染が発覚したときにも、医師から説明を受けることでしょう。

感染が発覚した後、医師の対応は本当にまちまちです。「肝炎ですね。薬を飲み忘れないように」とあっさりいうだけで話が終わってしまい、大した病気ではないんだと長年放置していたという感染者の方がいます。

良い病院を紹介してくれたり、もしくは肝臓専門病院の医師だったりすれば話は簡単ですが、中には「本当に集団予防接種なの?」とか「母子感染なの?」と疑ってかかる医師も実は相当数存在します。

このとき、たとえば「海外で性交渉した?」とか「風俗に何回くらい行った?」などと気分が悪くなるような質問をされる人もいるかもしれません。

あまり良い内容ではありませんが、医師としては疑ってかかるくらいの質問を繰り返さないと国による集団予防接種の結果、B型肝炎に感染したとはなかなか認めないこともあるようなのです。

ただ、実際に集団予防接種によってB型肝炎に感染したと感染者本人は思い込んでいても、実は海外で性交渉をした結果、感染した可能性だってないわけではありません。

ですので、医師と色々話をする中で大事なのは、人間的・性格的に合う医師かどうかということです。信用できないようであればセカンドオピニオンをつけたり、あまりにも自分と合わない人だと思ったのであれば病院を変えたりするという選択肢もあることを忘れないようにしてください。

B型肝炎の検査と肝生検について

■B型肝炎ウイルス検査について


B型肝炎ウイルスに感染したかの検査のためには、最初にHBs抗原の血液検査を行います。検査結果としてHBs抗原の陽性反応が出た場合、ウイルスに感染しています。

B型肝炎ウイルスに感染していることがわかったのであれば、次に肝炎の強さや感染力などを調べるためにHBe抗原、HBe抗体を調べます。抗体が陰性の場合、ウイルスの増殖力が強いため、肝炎が重くなる傾向にあります。逆に抗原が陰性で抗体が陽性であれば増殖力はあまり強くありません。ただし、これは必ずしも予想どおりの結果になるわけではなく、肝硬変や肝がんなどを引き起こすこともしばしばあるため注意が必要です。

B型肝炎ウイルスの量を数値化したものにHBVDNAがあります。HBVDNAはB型肝炎ウイルスの遺伝子のことであり、感染者の血液を採取して検査を行います。DNA中に含まれるDNAポリメラーゼやHBVDNAの数値によってウイルスの量が特定できます。ただし、この数値が非常に低いものであっても、大抵の場合、ウイルスが肝臓に潜んでいるため、安心してはいけません。

なお、B型急性肝炎を発症した人はHBs抗体が陽性となります。この場合、以降、B型肝炎ウイルスが体内に入っても抗体によってウイルスが排除されるため、肝炎が発症しません。



■B型肝炎ウイルスと肝機能検査

肝機能検査は急性肝炎もしくは慢性肝炎の発症の有無、発症している場合、その肝炎の状態を調べるための検査です。

肝機能検査は血液検査であり、AST (GOT)/ALT (GPT)の数値を調べます。急性・慢性肝炎であればAST (GOT)/ALT (GPT)は高値を示します。数値が高いと肝炎の症状は悪化しているといえるでしょう。また慢性肝炎の患者の数値が高いまま長期にわたると、慢性肝炎が肝硬変へと進行してきます。

また肝機能検査では血清ビリルビンの値も調べます。肝炎・肝硬変によって肝機能が低下すると黄疸の症状が現れます。血清ビリルビン値はその指標となります。

なおB型肝炎ウイルスに感染して慢性肝炎となった患者の場合、大抵は複数回の急性憎悪を発症しています。その結果、若くして肝硬変になっていることも少なくありません。



■B型肝炎ウイルスと肝生検について

B型肝炎に感染すると慢性肝炎もしくは肝硬変を発症する可能性があります。そのような患者に対して肝炎の進展を調べる必要が生じることが少なくありません。このときに用いられるのが肝生検です。

肝生検は腹腔鏡や腹部の超音波装置を用いて肝臓の組織を採取します。慢性肝炎は程度の軽重に大きな違いがあるため、検査は細密なものとなります。