あばたもえくぼ、ということわざはみなさんご存知のはず。一度好きになった相手は欠点でさえもすてきに見えるという意味です。この対義語に、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、というものがあります。

人はもちろん、世の中のありとあらゆる物事は無限に切り口を作ることができます。空を見てきれいだな、すてきだなと感じる人もいれば、寒々しいな、寂しいなと感じる人もいることでしょう。でも、空は空であってそれそのものに意味があるわけではありません。いつも泰然自若として私たちを見守っているだけです。

B型肝炎はネガティブに捉えられやすいものです。実際、肝炎ウイルスのせいで生活に支障をきたしたり、仕事ができなくなったりした人もいることでしょう。中には偏見や差別にさらされるのではないかという窮屈な思いをした人もいるかもしれません。もっと細かいところだと数値ぎりぎりのセロコンで治療を受けるかどうか悩む人もいるでしょう。副作用の大きなインターフェロン治療の判断に困る人もいるでしょう。

肝炎はときに人に難しい決断を迫ることがあります。バラクルードを服用すれば子どもが作れなくなる可能性もあります。後戻りができなくなる可能性もあるでしょう。しかし、それであっても自分の命にはかえがたいはずです。

よく観察してみないとわかりませんが、人の感情は連鎖します。つまり、気分が悪いことを考えるとどんどん気分の悪い想像ばかりが連鎖してゆきます。やがてそれは行動にも伝播してゆき、最終的には「なんだか運の悪い出来事ばっかり起こるな」ということにもなりかねないでしょう。

だからこそ、何かを見る際には良い面をなるべく見るように心がけましょう。肝炎にかかったからこそ、多くの人の恩愛を感じることができた。人の本質を見ることができるようになった。生きてゆくことや命の大切さを誰よりも知ることができた。これらはすべてかけがえのないこと。

そもそも人生とは苦しいものです。誰でもそうです。そうして真っ暗な夜空にぽつんぽつんと星が見えるように、ときどき嬉しいことがあるものなのです。だから、たとえB型肝炎であっても、それによって生じた良い出来事に目を向けるように心がけましょう。これを行うかどうかで、五年後、十年後の自分の幸福度がまるで違ってくるものになるはずです。