「むふんべつ」と読みます。

分別とは、何かと何かを分けること。これとあれに境界線を引くこと。りんごを2つに切れば「へた」がついている方と、ついていない方に分かれます。右のりんごと左のりんごにわかれます。

わたしたちの身体はバイキンだらけです。道ばたを歩いている人もそうだし、当所の所員もそうだし、電車に乗っている人もそうです。日本の首相でも、アメリカの大統領でも、どんな聖人君子でもそうです。

おなかの中には大腸菌がいますし、たばこを吸っているなら肺の中はヤニだらけだし、口の中は口内細菌だらけです。肌にもいっぱいバイキンがついています。空気中にはインフルエンザウイルスやらノロウイルスやらがたくさん飛び交っています。

みんながバイキンだらけ。その中で、たまたま、肝臓にいるB型肝炎ウイルスの量が人より少し多いだけの人がいます。

これを病院で検査することで、お医者さんは言います。

「これはB型肝炎ですね」

ああ、そうなんだ。みなさんは信じます。

この瞬間、みなさんは自分を他人とわけます。こういう言葉で分別します。

「わたしはみんなと違う。わたしはB型肝炎感染者なんだ」と。

B型肝炎ウイルスが家族に感染しないよう、会社の人たちに迷惑をかけないよう、気配りをするのはすばらしいことです。

でも、頭から「自分はB型肝炎の病人なんだ」と分別してしまうのはいただけません。肝臓の中にいる肝炎ウイルスの量がちょっと多いだけ。それだけの人なのです。

B型肝炎感染者と自分を分別するのは止めましょう。

感染者というくくりで自分を見つめると、パートナーと親しくなる前に未来が怖くなってしまいます。感染者というくくりで自分を見つめると、就職するのも大変になってしまいます。

世界中、みんながバイキンだらけ。その中でたまたま自分は、あるウイルスの量が多いだけ。それだけなのです。

その対策を勘案して、肝炎訴訟をしっかり行う。治療薬を飲んでおく。治療を受ける。それはもちろん行うべきこと。でも、自分を頭から「こういう人間なんだ」と言葉で決めつけてしまう必要などまったくないのです。