「じきしじんしん」と読みます。

わたしたちは社会の中で暮らしています。人と人との交わりによって生きているともいえます。

でも、その度が過ぎてしまうと朝から晩まで他人の顔色をうかがい、あれやこれや危ぐしてむだな骨折りに終始してしまうことになりかねません。

直指人心とは、心を直接に見る。正面から向き合うことです。その心は他人の心ではありません。自分の心です。

他人がどう思っていようとそれは本来、他人のものです。自分の心が望んでいることは自分のものです。

B型肝炎に感染した方の中には、たとえば「肝炎のせいで恋愛もできない」とか「肝炎の事実が会社にばれたらどうしよう」と悩んでいる方もおられるのではないでしょうか。

そのために手を打とうと考えるのは良いことでもあります。でも、本来それは感染したあなたの問題ではありません。他人がどう思うかでいちいち悩むのはばからしいのです。

それよりも大切なことは、できる状況であるなら肝炎訴訟をすること。事情によってどうしてもできないのであればしょうがありませんが、訴訟ができる状況なのに「めんどくさいな」と思う気持ちがどこかにあるのではないでしょうか。

そういう心を正面から見つめ、エイヤと乗り越える。その真正面から突き詰め、乗り越える気持ちこそが何よりも尊いのです。