B型肝炎訴訟を考えている方、いざ弁護士を選ぼうとしても何しろ初めてのことだから「何を基準に選べば良いかわからない!」となりがちではないでしょうか。

そこで今回はB型肝炎訴訟を行う際、こういう形で弁護士を選んだところ失敗してしまったという例を幾つか挙げてみます。

「B型肝炎訴訟を考えているけど、弁護士に頼もうかな。でも費用ももったいないし、う~ん……」と悩んでいる方も多数おられるようです。

B型肝炎訴訟は和解を成立するための民事裁判であり、法廷ドラマで喧々諤々(けんけんがくがく)言い争う、いわゆる刑事裁判とはまったく趣きが異なります。

「じゃあ訴訟は個人でやってもいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、結論から申し上げれば弁護士を通じた方が圧倒的にメリットの方が大きいです。

ここではB型肝炎訴訟で弁護士を使うメリットについて記載いたします。

B型肝炎訴訟で弁護士を使う5つのメリット

1 証拠集めの手間が格段にスムーズになる

2 訴訟までの手続きが圧倒的に楽

3 法廷まで顔を出す必要がほぼなくなる

4 国から弁護士費用の一部が負担される

5 急性肝炎や肝疾患が進行しても手続きが不要になる

1 証拠集めの手間が格段にスムーズになる



B型肝炎訴訟を行うには、感染者の方が「国の集団予防接種によってB型肝炎に感染した」証拠を示す必要があります。

しかし、この証拠集めを個人が行うのは実は容易ではありません。とくに母子感染などの場合、母親が集団予防接種に感染した事実と、訴訟を行いたいご本人の感染、そして親子の因果関係について、きちんと筋道を立てて説明する必要があるのです。

もちろん、証拠が簡単に揃う場合もありますが、なにしろ国が原因となるB型肝炎は半世紀近くも前から行われてきたものです。医療カルテ一つとっても、もう残っていないことも少なくありません。

弁護士であれば、万一医療カルテが揃わないとか、母子感染の証拠がなかなか見つからないといった場合でも、筋道を立てて説明ができるように図らうこともできるのです。

2 訴訟までの手続きが圧倒的に楽



一般の方にとって提訴はなかなか敷居が高いもの。一生に一回、あるかないかという方が大半でしょう。

この手続きを個人で行いたいという人は少なくありませんが、難解な用語や面倒な書簡のやりとりのため、まず大抵の人は途中で投げてしまいます。そうなるとせっかく苦労して作りかけた書類も、費やした時間もムダになってしまいます。

弁護士は訴訟の専門家です。一回委任をすればワンストップで処理してくれるのですから、委任するに越したことはないのです。

3 法廷まで顔を出す必要がほぼなくなる



法廷ドラマなどでおなじみの裁判所ですが、推理ドラマはまず刑事訴訟ばかりです。B型肝炎訴訟は民事訴訟であるため、あのような厳しいやりとりは存在しません。

とはいえ、法廷に顔を出して被告側とやり取りをするのは大変です。ましてや個人で訴訟を行えば、一度証拠が足りないなどといわれると、そこから紐付けされて延々と証拠集めを再開しなければならない可能性が生じます。

弁護士は訴訟のプロであると同時に裁判のプロです。裁判をしたけれど負けたということが続いては、仕事として成立しません。また、感染者の方の多くは病院に通ったり、無症候性キャリアであれば仕事に就いたりと忙しい日々のはず。裁判という煩雑な手間を弁護士に任せるのはごく一般的な考え方だといえます。

4 国から弁護士費用の一部が負担される



B型肝炎訴訟は国が弁護士費用の一部を負担します。この意味は「証拠集めや提訴のための手続き、裁判も含めて素人が手に負えるものではありません」ということを暗に述べているのです。

和解を目指した民事訴訟とはいえ、B型肝炎訴訟はやっぱり裁判です。役所で運転免許を見せれば、その場で印刷してくれる証明書とは重みが異なります。

B型肝炎訴訟を行っている弁護士事務所はそれぞれが手数料を定めています。あまり高すぎるところはお勧めできませんが、やはり裁判をするのですから、弁護士費用がもったいないとはあまり考えない方が良いでしょう。

5 急性肝炎や肝疾患が進行しても手続きが不要になる



非常に残念ながら現在の医療技術ではB型肝炎ウイルスを体内から完全に排除することは不可能です。

たとえ現在無症候性キャリアであっても、数割の人がある日突然急性肝炎や劇症肝炎を発症しています。

また慢性肝炎の方も定期的に診断を受けて治療を続けなければ、肝硬変や肝がんを発祥する可能性は否めません。

弁護士に委任してB型肝炎訴訟を一度行っておけば、万一急性肝炎や肝疾患のような事態に陥っても、弁護士はまたすぐに裁判を行うことができます。これは保険のようなものです。

体調が良いからとか、無症候性キャリアだからといって和解訴訟をやらないのではなく、保険として弁護士に委任しておけば、いざというときに安心できます。

おわりに



いかがでしょうか。B型肝炎訴訟で弁護士を使うメリットをいくつか記載してみました。実際のところ、国が弁護士費用を出すということは、B型肝炎訴訟で弁護士を使わないと非常に難しい裁判になりかねないということを暗に述べているのです。

訴訟を行うのであれば、必ず弁護士を使うように心がけましょう。