B型肝炎と訴訟問題を考える

はじめまして。 B型肝炎に感染し、これまでとてもつらく、苦しく、悲しい思いをされたことでしょう。ここでは一緒にB型肝炎と訴訟問題について考えていきたいと思います。ここでの知識が、あなたのお役に立ちますように。

2019年09月

B型肝炎で抗体ワクチンを打つべきか否かの問題は

B型肝炎ウイルスの感染者の方や、その関係者の方の中には「抗体のワクチンを打った方が良いか」と悩んでいる方がおられるようです。

ワクチン関連についての悩みは、感染者ご本人はもとより、ご家族、ご友人や恋人などにも多いものです。そして結論から述べると「必ずワクチンは摂取すべきである」というものになります。

一口でB型肝炎といっても、その感染経路はさまざまです。正直申し上げますが、国からの集団予防接種やそれに伴う母子感染で肝炎ウイルスに感染した方は、非常に人間としてまともです。常識をわきまえたごくごく普通の日本人だという印象があります。

はっきり言って海外での性交渉や、違法な内容で注射器を使いまわした結果、肝炎にかかったとおぼしき人たちとは同じ人種だと思えない様相を呈しています。

中でもひどいのは、自分が肝炎に感染していることを知りながら「大したことじゃない」と放置を決め込んで、パートナーに感染させても平気でいる人です。とくに海外での性交渉で肝炎に感染した若い男性などにそのような態度が目立ちます。

そういう方をパートナーに持つ女性の方などの中には「自分はワクチンを摂取した方が良いのか」と悩んでいるようですが、別れるという選択肢を選ばないのでなければ必ずワクチンを打つようにすべきです。

もちろんそうは言っても、お金がかかるからということで自分に都合良く考えがちなものが人間でもあります。ただ、B型肝炎ウイルスに感染するのは、税金の滞納だの、車の駐車違反だのといった程度の話とはまったく異なります。そういうリスクをわかったら問答無用で抗体ワクチンは打つべきです。

くれぐれもその点だけは頭に入れておきましょう。

B型肝炎の母子感染の場合にも訴訟は可能

母子感染で、子どもに該当する方がB型肝炎訴訟を行うのはよくある話です。

ただし、子どもに該当する方にとって母子感染の証明はとても面倒だなという気持ちが強いようです。確かに母親が既に逝去されている場合、母方の兄弟姉妹の検査を行う必要があることもあります。

実際、証明のためには遠縁の親戚に検査をお願いをすることになりますから面倒だと思うかもしれません。しかし、弁護士からアドバイスを聞くのではなく、ご自身で母子感染について一から十まで調べた結果「ああ、これはダメかも」とか「面倒だな」と投げてしまうのはいただけません。そもそも一般の方が医療や訴訟を扱うなど、面倒かつ複雑でたまりません。だからこそ弁護士費用の一部が支給されるのです。

母子感染の方もまずは弁護士に相談してみましょう。できるのか、できないのか、何をすべきかについて助言がもらえるはずです。

弁護士の指示なくB型肝炎の資料を収集すると

B型肝炎訴訟をしたいということで、ご自身でどんどん資料を収集されている方がおられます。

ところがこれは無駄手間になってしまうことが少なくありません。必要でない資料を一生懸命時間と手間をかけて集めたにも関わらず、抗体の検査を受けていなかったため、指定された結果、今度は力価が高かったため、結局訴訟出来なかったというケースもあるためです。

逆に法律事務所に指定されたにも関わらず、肝炎検査の必要な項目を受けなかったために結局また検査を受けなければならないという人もいます。

B型肝炎は確かに感染者の方ご自身の身体の問題です。自分の身体は自分が一番知っていると言われればそれは確かにそうでしょう。でも、身体の問題と訴訟を行うための資料の収集のための知識やノウハウは全く別物なのです。

最も効率的に和解を行うためにまずは虚心坦懐に指定に従うことが大切です。それを行わないと結局何度も病院や役所に足を運ぶはめになったり、訴訟が長引いたりするため、結局訴訟を願う自身のためにならないのです。

慢性肝炎が治ってもB型肝炎訴訟は行えます



まれに「過去に慢性肝炎に感染していたのですが、今は治りました」という方がいます。ペガシスやバラクルードなどで治療を行った結果、慢性肝炎が治るというケースは少なくありません。ところが過去に感染したものの、既に治っているから給付金を受けられないと思い込んでおられる方がどうやら結構な数いらっしゃる印象を受けます。

過去にB型肝炎ウイルスで慢性肝炎にかかっていた方の場合、給付に必要な条件を満たしてさえいれば問題なく訴訟および和解を行うことが可能です。

繰り返し述べていますように、B型肝炎ウイルスそのものは完全に体内から排除することはできません。このため、長く肝炎ウイルスと付き合ってゆく必要があるのです。ですので、過去にかかっていたけれど、今は違うという方であっても、いずれ必ず訴訟を行う必要は出てくるでしょう。

なるべく早めに相談をすることをおすすめいたします。

B型肝炎訴訟で委任を避けた方が無難な弁護士



弁護士と一言でいっても色々です。人間ですから性格も色々ですし、扱っている分野もさまざま。また能力的にもピンキリな上、ご相談者との相性の問題だってあります。

今回はそれらを踏まえた上で、弁護士選びにおいて、とりあえずこれらは外しておいた方が無難といえるものをピックアップしました。B型肝炎訴訟において、下記のような弁護士は外すように心がければ、少なくとも後日、大損害を被ったという事態に陥る可能性は減るはずです。

1 特殊な分野のみを扱う弁護士



特殊な分野というのは、一般社会から極端に乖離した分野のこと。たとえばですが、M&Aを専門にしている法律事務所に、B型肝炎訴訟の相談をしても断られる可能性は高いはずです。なぜならそもそも扱っている分野が異なるため。

このように普通は分野があまりにも異なると断られることが多いのが弁護士の業界。ただし、それとは別個に断られないけれども、おすすめできない特殊な分野を扱う弁護士もいます。

これはつまり、弁護士個人の行き方や信条が極端に反映されている法律事務所のことです。たとえば特定の政治思想や宗教の人たちだけを一生懸命擁護している弁護士は、国内にはごまんと存在しています。また、名刺を見てみると何かヘンな信条を述べていたりするところもあるでしょう。

こういうところでうっすらと違和感を感じたのであれば、そこではB型肝炎訴訟をすることはおすすめできません。なぜなら受任をした後、弁護士と政治思想の違いでもめたり、おかしな宗教をすすめられたりと面倒事に巻き込まれる可能性があるためです。

正直申し上げて弁護士業界はちょっと変わり者みたいな人が結構な数存在しています。変わり者に委任をした結果、必ずしもひどい目に遭うとは限りませんが、B型肝炎は被害者にとっては大きな問題。なるべく常識がある人に委任をした方が和解もスムーズに進むはずです。

2 文章や言葉がおかしな弁護士



文は人なりといいますが、文章や言葉はその弁護士、ひいては法律事務所そのものを表現しています。

弁護士事務所を選ぶ際、ホームページの見出しなどをよく読んでみましょう。その弁護士が本当に信用できる人間かどうかそれでわかることも往々にしてあります。

たとえば、国に対して「金をよこせ」と叫ぶ広告宣伝をしている弁護士もいるかもしれません。それはそれで間違っているわけではありません。しかし、「金をよこせ」という文言は、肝炎の患者さんの苦しい思いの補償であったり、今後の治療のための費用であることにまで思いを馳せず、ただ自分が金儲けしたいだけにしか見えません。

要するに人としての品性があまりにも欠けているのです。そして人としての品格に欠けた者に、B型肝炎訴訟という、患者さんの人生の岐路ともなりえる訴訟を任せることができるでしょうか。私が患者さんでしたら、きっぱりと断ります。

そして大きな声ではいえませんが、実はこういう弁護士は山ほど存在します。要注意です。