肝硬変と血液検査について

肝硬変の診察では、血液検査が最も一般的なものとなります。
血液検査を行うことによって肝硬変の進行がどの程度か知ることができ、ひいては肝炎の治療方針においても大きな決定要因となることが少なくありません。

血液検査では主に、

1)アルブミン値
2)血小板
3)コリンエステラーゼ
4)プロトロンビン時間
5)アンモニア
6)ビリルビン

などを調べることになります。

これらの数値によって肝臓の機能を知ることができますが、検査で知ることができるのは、
・(肝硬変によって)肝臓がどの程度破壊されているか
・肝臓の合成機能
・肝臓の活動程度
・胆汁の程度
・代謝機能や脳への影響

となります。

(1)のアルブミン値は、肝臓内で作られるタンパク質を示します。このアルブミン値が基準値以下になると肝硬変の可能性が高いと診断されます。

(2)の血小板は、出血の際に流血を止める働きをします。これもアルブミン値と同様、基準値以下になると肝硬変の可能性が高いと診断されます。

(3)のコリンエステラーゼもアルブミン値や血小板と同様の判断基準となります。

(4)のプロトロンビン時間とは、出血において血液がどの程度の時間で凝固するかを示す数値のことです。(2)の血小板と同様、肝硬変では血が固まる時間が遅くなるため、この値が延びるようになります。

(5)のアンモニアは肝臓の解毒作用の低下の度合いを知るものです。肝硬変になると肝臓の能力が低下するため、血中にアンモニアが増加するためです。

(6)のビリルビンは、黄疸の程度を知る指数です。