肝硬変の症状

肝炎ウイルスによって肝硬変にかかると以下のような症状が生じることがあります。

1)くも状血管腫

 くも状血管腫は1~3ミリ程度の発疹ができ、それがくもの巣のように広がっている様子が肉眼で確認できるものです。おおむね、首や前胸部、頬などにできることが多いとされています。

2)手掌紅班

 手掌紅班は親指のつけ根にあるぷっくりとふくらんだ部分や、小指のつけ根のふくらみが、赤くまだらになった状態を示します。これらは肝機能障害によって血液中のエストロゲンが上昇したために生じるものです。

3)腹水

 肝硬変では顕著な症状で、お腹、とくに下腹部が膨満するものです。腹水自体は様々な原因によって生じます。このため、腹水が生じたからといって必ずしも肝硬変であるとは限りません。B型肝炎による腹水の場合はアルブミンの合成機能の低下等によって生じるものと考えられています。

4)黄疸

 黄疸は腹水と並んで顕著な肝機能障害のひとつです。黄疸はビリルビンと呼ばれる血中ヘモグロビンから作られますが、肝機能が衰えるとビリルビンが血液中に増加します。この結果、白目が黄色くなるといった黄疸の症状が出てくるのです。

5)羽ばたき振戦

 肝機能障害によって腕を伸ばしたり、広げたりした際に腕がゆっくりと不規則に動く症状です。間性脳症の初期に見られるものであり、ときに腎不全などを起こしている可能性もあります。

6)女性化乳房

 女性ホルモンは男女ともに体内に存在します。しかし肝機能の低下により、女性ホルモンが強くなり、結果的に男性であっても乳房が大きくなることがあります。

7)睾丸萎縮

 女性化乳房と同様、女性ホルモンの活性化のため、男性の睾丸が小さくなるものです。